分子栄養病理学研究会
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デトックスパラドックス

以前から、「デトックス」「解毒」などSNSで話題となる事があります。
しかしSNSの情報は疑問符がつく事も多いのです!今回はデトックスについて、お話しします。

デトックス、解毒の主役は「チトクロームP450」(cyp.ピーフォーフィフティ)です。
これは何かというと肝臓を中心とした解毒酵素群で、薬物やホルモン、有害物質の代謝に重要な役割を担っています。

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解毒の3段階ステップ

この解毒には3段階のステップがあります。

段階 主なはたらき 主な担当者

段階

有害物質を化学変化(酸化・還元など)させて中間代謝物にする チトクロームP450(CYP)ほか 酸化酵素群

STEP

中間代謝物に無毒化タグ(グルタチオン・硫酸基など)を付ける グルタチオントランスフェラーゼ、メチル基転移酵素など

STEP

できあがった無毒化物を胆汁や尿で体外に排泄 トランスポーター(MRPなど)

この3ステップでデトックス、解毒が完了なんです!解毒の主役はCYPです!

チトクロームP450を増やす・誘導するとされる栄養素・成分

栄養素・成分 働きの概要
ビタミンB群(特にB2, B3, B6) CYP酵素の補酵素として働く。特にB2(リボフラビン)やB3(ナイアシン)は電子伝達系に関与。
亜鉛 CYP酵素の構造安定や酵素反応に関与。亜鉛欠乏でCYP活性が低下しやすい。
マグネシウム 解毒に関わる酵素全般の補酵素として重要。CYP活性もサポート。
セレン グルタチオン系と連携して抗酸化防御、CYP酵素の機能を間接的に保護。
タウリン 肝細胞の保護・胆汁合成促進などで間接的に肝解毒能力をサポート。

植物由来のCYP誘導成分(フィトケミカル)

成分・食品 誘導される主なCYP(参考) 備考
クルクミン(ウコン) CYP1A1, CYP1A2など 抗炎症と解毒に役立つが、過剰摂取は逆にCYP抑制の例も。
イソチオシアネート(ブロッコリースプラウト) CYP1A1, 1A2, 2Bなど 解毒の「フェーズ2」も活性化。
ケルセチン(玉ねぎ・そばなど) CYP1A1, CYP3Aなど 抗酸化作用とCYP活性促進。
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ) CYP3A4を強力に誘導 薬との相互作用に注意(特にピルや抗うつ薬など)。

ただしCYPだけでは「無毒化完了」ではない
  CYPの働きでできる「中間代謝物」は、むしろ毒性が強くなることもある(=活性酸素や発がん性物質が生まれる例も)

代表的な中間代謝物
元の物質 中間代謝物(CYPにより生成) 特徴・リスク
アセトアミノフェン(市販薬) NAPQI(ナプキ) 肝毒性が非常に強い。グルタチオンで解毒されないと肝障害を起こす。
ベンゼン(タバコ、排気ガス) ベンゼンオキシド 遺伝子損傷、白血病との関連。
アフラトキシン(カビ毒) エポキシ化アフラトキシン 強い発がん性(特に肝がん)。
カフェイン パラキサンチン等 刺激作用あり。CYP1A2で代謝。
エストロゲン(体内ホルモン) 4-ヒドロキシエストロン(代謝エストロゲン) 活性酸素を出し、乳がんリスクに関与とされる。
アルコール アセトアルデヒド 頭痛や吐き気、がんリスクを高める。CYP2E1関与。
これらをフェーズ2で無毒化しないといけません

フェーズ2(無毒化処理)が追いついていない場合

解毒のはずが、むしろ体内に毒性の強い“中間代謝物”がたまってしまうという paradox(逆転現象)が起きます。

これが「デトックスパラドックス」です。
以下デトックスパラドックスチェックリストです!

チェックリスト:CYP暴走型・フェーズ1過剰の可能性がある
チェック項目 あてはまる?
□ サプリを飲むと体調が悪化する(特に抗酸化系やデトックス系)
□ サプリや薬に「敏感」で頭痛・吐き気が出やすい
□ 以前よりアルコールが弱くなった、または悪酔いしやすい
□ 香水・柔軟剤・化学的な匂いに過敏になった
□ 頭がボーッとする、ブレインフォグ、集中できない
□ 湿疹・蕁麻疹・PMSが悪化することがある
□ 疲れやすく、寝ても疲れが抜けにくい
□ 便秘または逆に下痢しやすい(腸内環境の排泄力が弱い)
□ ストレスを感じやすく、交感神経優位な感じがある

3つ以上当てはまった方は、CYPフェーズ1だけが過剰に働いている可能性があり、フェーズ2〜3(無毒化・排泄)のサポートが追いついていないサインかもしれません。

3つ以上当てはまる方は
バランスを取るためのアプローチ 解説
グルタチオンを増やす栄養(NAC、ビタミンC、セレン) フェーズ2で中和する力を高める
硫黄系アミノ酸(卵、ニンニク、玉ねぎ) 解毒の原料になる重要成分
腸・便通・水分をしっかり整える 出せなければ溜まる一方です
ビタミンB群(特にB6, B12, 葉酸) メチル化・硫酸化などのフェーズ2反応に必須
やりすぎ”デトックスを避ける クレンズ・ハーブ・断食などは慎重に。下地が整ってから

ゆるやかに整える簡単レシピ例
• 朝:レモン白湯+ゆで卵+キウイ
• 昼:鶏むねとキャベツのスープ(ターメリック少々)
• 夜:ブロッコリースプラウトと塩麹漬け玉ねぎのサラダ+玄米ごはん
• 間食:ビタミンC入りハーブティー(ローズヒップやカモミール)+くるみ

を試してください!
現代社会でデトックス、解毒はとても重要です!
だからこそ正しくデトックスに取り組んでくださいね!
もちろんこれは薬剤の副作用にも効果的です!

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