異常に暑い日が続いてみなさん、既に夏バテしてませんか?
夏バテ防止のため効率的にATPを合成する必要があります。
では、何からATPを作れば良いかを見て行きます。
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糖質と酢酸
糖質と酢酸のどちらが効率的にクレブス回路に入るかを考えるために、両者の代謝経路を比較してみましょう。
- 糖質(グルコース)の代謝
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1.解糖系
- グルコースは解糖系でピルビン酸に分解されます。この過程でATPとNADHが生成されます。
[ \text{グルコース} \rightarrow 2 \text{ピルビン酸} + 2 \text{ATP} + 2 \text{NADH} ]
2.ピルビン酸の変換
- ピルビン酸はミトコンドリア内でピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体によってアセチルCoAに変換されます。この過程でNADHが生成されます。
[ \text{ピルビン酸} + \text{CoA} + \text{NAD}^+ \rightarrow \text{アセチルCoA} + \text{CO}_2 + \text{NADH} ]
3.クレブス回路へのエントリー
- 生成されたアセチルCoAがクレブス回路に入ります。
- グルコースは解糖系でピルビン酸に分解されます。この過程でATPとNADHが生成されます。
- 酢酸(アセテート)の代謝
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- アセチルCoAの生成
- アセテートはアセチルCoAシンテターゼによって直接アセチルCoAに変換されます。
[ \text{アセテート} + \text{ATP} + \text{CoA} \rightarrow \text{アセチルCoA} + \text{AMP} + \text{PP}_i ]
2.クレブス回路へのエントリー
- 生成されたアセチルCoAがクレブス回路に入ります。
- 比較
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1.エネルギー効率
- 糖質の代謝は解糖系とピルビン酸からアセチルCoAへの変換を経るため、ATPとNADHを生成しつつエネルギー効率が高いです。
- 一方、酢酸は直接アセチルCoAに変換されますが、この過程ではAMPが生成され、ATPのエネルギーが一部消費されます。
2.スピード
- 酢酸は直接アセチルCoAに変換されるため、ステップ数が少なくクレブス回路に迅速に入ることができます。
- 糖質は解糖系を経るため、やや時間がかかります。
糖質の方がエネルギー効率が高いですが、ステップ数が多いため時間がかかります。酢酸は直接アセチルCoAに変換されるため、速やかにクレブス回路に入りますが、ATPの消費が伴います。そのため、どちらが「効率的」かは状況によりますが、エネルギー生成効率を考えると糖質が有利です。迅速さを重視する場合は酢酸の方が有利です。
参考文献
- Berg, Jeremy M., et al. “Biochemistry.” W.H. Freeman and Company, 2012.
- Nelson, David L., and Cox, Michael M. “Lehninger Principles of Biochemistry.” W.H. Freeman and Company, 2013.
脂質と酢酸
- 脂質(脂肪酸)の代謝
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1.β酸化
- 脂肪酸はミトコンドリア内でβ酸化を受け、アセチルCoAを生成します。この過程でFADH2とNADHも生成されます。
[ \text{脂肪酸} \rightarrow \text{アセチルCoA} + \text{FADH}_2 + \text{NADH} ]
2.クレブス回路へのエントリー
- 生成されたアセチルCoAがクレブス回路に入ります。
- 脂肪酸はミトコンドリア内でβ酸化を受け、アセチルCoAを生成します。この過程でFADH2とNADHも生成されます。
- 比較
-
1.エネルギー効率
- 脂肪酸のβ酸化では多くのアセチルCoAが生成されるとともに、FADH2とNADHも生成されます。これらの電子キャリアは電子伝達系で利用され、大量のATPを生成します。
- 一方、酢酸の代謝では直接アセチルCoAが生成されますが、ATPの消費が伴います。
2.ATP生成
- 脂肪酸のβ酸化は非常にエネルギー効率が高く、1モルの脂肪酸から多くのATPが生成されます。例えば、パルミチン酸(16炭素脂肪酸)の完全酸化では106モルのATPが生成されます。
- 酢酸の場合、アセチルCoA 1モルがクレブス回路に入ると、1モルのATP(GTP)、3モルのNADH、1モルのFADH2が生成されます。これらの電子キャリアはさらにATPに変換されますが、脂肪酸ほどの量ではありません。
3.迅速さ
- 酢酸は直接アセチルCoAに変換されるため、速やかにクレブス回路に入ります。脂肪酸はβ酸化の過程を経るため、やや時間がかかります。
脂質はβ酸化を経て大量のアセチルCoAを生成し、さらに電子キャリアのFADH2とNADHも生成するため、最終的に生成されるATPの量が多くなります。エネルギー生成効率を考えると、脂質の方が圧倒的に有利です。
エネルギー量としては脂質、糖質、酢酸の順です。
エネルギーに変わる速さは、酢酸、糖質、脂質の順です。
疲れた時、早くエネルギー補給したい時、運動前、運動中などは酢酸それ以外で、食事での糖質、脂質摂取とその代謝に使われるビタミンB群摂取が夏バテ防止に最適ですね🤲
参考文献
- Berg, Jeremy M., et al. “Biochemistry.” W.H. Freeman and Company, 2012.
- Nelson, David L., and Cox, Michael M. “Lehninger Principles of Biochemistry.” W.H. Freeman and Company, 2013.
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