分子栄養病理学研究会
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初めての分子栄養学シリーズ ~免疫初級編~

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人類はいつ免疫に気づいた?

人類は古来「病は一度罹ったら二度目は罹らなかったり軽い症状で済む」事を経験的に知っていました。
紀元前5世紀「トゥキュディデス戦史にアテナイの疫病二度目は無い」と記載されています。
14世紀にヨーロッパを襲ったペストに際し、キリスト教騎士団や修道士が献身的な看護を行い、その中から生き残った者たちは二度とペストに罹る事は無く、「神のご加護」「神の奇跡」と信じられ、時のローマ法王から課役、課税を免除されました。「法王の課税munitasu」+「免れるim」Immunity~免疫の語源になっています。
では「神のご加護」「神の奇跡」はどのように起きたのか?ここで何故「奇跡」が起きたのか?「神のご加護」はどのような仕組みか?見て行きましょう!

自然免疫

病原体の感染後ただちに白血球が病原体を無差別に攻撃する非特異性攻撃とマクロファージが病原体の特徴を認識して病原体に対して非特異的攻撃と、効率的な攻撃を行う特異的攻撃で病原体を破壊する。

自然免疫の戦力

好中球、マクロファージ~侵入した病原体に対して「食作用」を持つ。
NK細胞、NKT細胞~病原体に感染した細胞自体を破壊する。
補体~病原体に結合して好中球、マクロファージに「食べられやすく」する

働きを持つタンパク質

NK細胞~T、B細胞に属さないリンパ球で腫瘍細胞やウィルス感染細胞を非特異的に攻撃し破壊する。
抗体依存性細胞障害(抗体が結合している標的細胞も破壊)機能を持っているため自然免疫の重要な細胞。

標的細胞の識別

NK細胞が標的細胞と正常細胞をどのように区別しているか?
NK細胞レセプターが標的細胞の特定の糖鎖を認識し破壊する。
NK細胞が正常細胞を攻撃しないために正常細胞のMHCクラス1分子に抑制レセプターが結合して細胞の破壊を抑制する。
ウィルス感染によりMHCクラス1分子の発現が抑制された場合NK細胞による細胞の破壊が行われます。

                                   出典 「免疫学の基本がわかる辞典」 西東社

NK細胞レセプターは「活性化レセプター」として働き、標的細胞の糖鎖を認識すると、細胞破壊分子を放出して標的細胞を死滅させる。
一方「抑制型レセプター」であるMHCクラス1レセプターが標的細胞のMHCクラス1分子を認識した時はこれを攻撃しない。標的細胞に抗体が結合している場合は抗体を認識し標的細胞を攻撃する。

自然免疫まとめ
好中球、マクロファージが細菌、ウィルスを非特異的に攻撃
NK細胞~ガン細胞、ウィルス感染細胞を非特異的に攻撃
NKT細胞~ガン細胞、ウィルス感染細胞を特異的に攻撃

適応免疫(獲得免疫)

自然免疫で病原体を破壊出来ないときに、適応免疫応答が作動します。
病原体(抗原)特徴を記憶して弱点を的確に攻撃する特異性を持つT細胞、B細胞が増殖し、抗体産生が誘導されます。

適応免疫の戦力

リンパ球(B細胞、T細胞)白血球中45%以上で副交感神経優位B細胞~骨髄で分化、成熟し抗体生産メモリーB細胞~病原体に対して特異的な免疫学的記憶を持ち長期間生体内に存在する適応免疫最大の機能

T細胞~骨髄で作られ、胸腺で厳格に教育される。
ヘルパーT細胞~B細胞の抗体生産を含め免疫反応全体をコントロールする。
細胞障害性T細胞(キラーT細胞)~感染細胞を直接破壊します。

適応免疫まとめ
T細胞とB細胞が特異的攻撃を行う。
ヘルパーT細胞の指令によりB細胞は抗体分泌、キラーT細胞が感染細胞を破壊する

出典 「免疫学の基本がわかる辞典」 西東社

自然免疫と適応免疫の相互作用

免疫学の基本がわかる辞典」 西東社
サイトカイン

サイトカイン~細胞が産生分泌する細胞の相互作用促すメッセンジャーの役割を持つタンパク質の総称
ケモカイン~マクロファージ、T細胞から分泌されるサイトカインの一種白血球の炎症部位への遊走能を高める。サイトカインの一種インターロイキンの一部は急性、慢性炎症反応、細胞増殖、アポートシスに関与し、ガン、炎症性疾患、関節リウマチの原因となるNF-kBの活性化を起こす。ケルセチン、クルクミンはインターロイキン分泌を止めずNF-kBのみを抑制します。
風邪症候群による発熱はサイトカインによる免疫反応の一環です。コロナ等の風邪症候群ウィルス増殖に適した温度は33~35度。

その他の白血球(顆粒球)

好中球

好中球~白血球の50~70%高度な運動性と食作用を持っています。
55%以上だと交感神経優位状態

好酸球

好酸球~呼吸器、腸管、泌尿生殖器に多く寄生虫などを処理します。
アレルギー疾患では血中に動員されアレルギー反応に関与します。

好塩基球

好塩基球~白血球の1%サイトカインや抗原によって活性化されヒスタミンが放出され血管透過性、血液凝固阻止、平滑筋収縮などのアレルギー症状を引き起こします。T細胞は直接抗原を認識できない為B細胞から分解した抗原を提示されサイトカインを分泌しB細胞を増殖させます。

出典 「免疫学の基本がわかる辞典」 西東社
抗体

抗体とはB細胞が産生する免疫グロブリン(Ig)であり免疫に重要な役割を果たしています。血液に含まれ常に体内を循環しています。これは一度抗原に反応して分泌された物なので次に抗原が侵入した時に迅速に反応します。図のL鎖とH鎖はジスルフィド結合(S-S結合)により構造が保たれているⅤ部は遺伝子再構成により無数のバリエーションが作られあらゆる抗原に対応できる特異的結合部として機能します。

出典 「免疫学の基本がわかる辞典」 西東社
細胞障害性T細胞

ヘルパーT細胞の分泌するサイトカインの刺激を受けてT細胞から分化し2通りの方法で感染細胞を破壊します。

パーフォリン・グランザイム系

出典 「免疫学の基本がわかる辞典」 西東社

Fas-Fasリガンド系

出典 「免疫学の基本がわかる辞典」 西東社
Fas

Fas~細胞に死をもたらすデス因子細胞障害性T細胞のFasリガンドがFasレセプターに結合し細胞内へアポトーシス(細胞死)を誘導するシグナルを伝え、それによりタンパク質分解酵素であるカスパーゼ連鎖反応的に(カスケード)がDNAを切断し細胞を死滅させる

免疫の「特異性」と「多様性」

特異性~抗原A(ウィルスや細菌)に対して作られた抗体免疫グロブリンは抗原Aにのみ反応するよう厳格に管理され、抗原B(Aの変異体や別のウィルス、細菌)には反応しません。これを特異性と言います。

では生体が出会ったことが無いウィルスや細菌には生体が無力か?というとそうではありません。
多様性~自然界に存在する無数のウィルスや細菌が生体内に侵入すると抗原に反応する「B細胞」のみが増殖し抗体を大量に作り出す。リンパ球の1つであるB細胞は特異性があるため1つの免疫グロブリンしか作らないが、B細胞は数千万~数億個体内にあるのでその数だけウィルスや細菌に対して抗体を作ることが出来るのです。

免疫は3つの反応があります。
1 非自己を認識する反応ウィルスや細菌などの異物やガンなど自分の体と違うものを排除する反応
2 自己に対する反応~自己免疫疾患
3 非自己を認識しない反応~妊娠免疫

亜鉛の役割

出典 「免疫学の基本がわかる辞典」 西東社

ワクチンの種類

生ワクチン(弱毒性ワクチン)

ウィルス・細菌の毒性を弱めているが感染力の有る「生きている」病原体を使用します。
副作用 発熱、発疹、ポリオでは200万人に1人の割合でワクチン関連麻痺
禁忌 免疫不全(免疫抑制剤使用、過度な糖質制限)妊婦

代表的な生ワクチン

ウィルス~麻疹、風疹(MRワクチン)ムンプス、水痘、ポリオ細菌~BCG
不活化ワクチン(死滅ワクチン)
ウィルス・細菌をホルマリンや紫外線で変性させ感染力を無くした病原体を使用します。
獲得できる免疫は抗体産生による体液性免疫のみで複数回の接種が必要

代表的な不活化ワクチン

ウィルス~インフルエンザ、日本脳炎、B型肝炎、狂犬病

細菌~コレラ、百日咳、トキソイド~ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ4種混合ワクチン

実験段階のワクチン

DNA,RNAワクチン
遺伝し組み換えを行ったウィルス・細菌のDNA.RNAを接種する。
この技術は実験段階であり,人への臨床実験も現段階で不十分でどのような副作用があるか分かっていない。セントラルドグマ、メチレーション機能の破壊の可能性も指摘される。

インフルエンザワクチンに含まれる防腐剤チメロサール
チメロサールとはエチル水銀チオサリチル酸ナトリウムです。

エチル水銀チオサリチル酸ナトリウムの人体への影響
1 MTR酵素抑制~メチレーション回路の阻害
-遺伝子の発現のオンオフスイッチ
-高メチレーション~ドーパミン、セロトニンが増えすぎ幻覚、妄想、興奮を引き起こす。
-低メチレーション~セロトニン減少による鬱状態になる。
2 DNA成長抑制剤と似た構造のためDNA生産が抑制されます。
3 遺伝子の働きを阻害します。
-ウィルスのDNAを抑制出来なくなり、細胞内でのウィルスの増殖を止める事が出来なくなります。

ウイルスの種類

出典 「免疫学の基本がわかる辞典」 西東社
DNAウィルス

互いの遺伝子情報を相補的に修復可能な二本鎖の構造のDNAを持ち世代を超えて遺伝情報が安定しています。
この安定した遺伝情報に対する特定ワクチンは高い有効性を持ちます。

代表的なDNAウィルス

天然痘、ヘルペス、水痘、帯状疱疹、アデノ、パルボ、B型肝炎

RNAウィルス

一本鎖の構造のRNAである為、バックアップ機能の対の鎖を持たないため複製時(増殖)の遺伝情報の再現性が低くなります。
遺伝情報の再現性が低いとは容易に変異を繰り返すことで、RNAウィルスは自己変異により、薬、ワクチンに対する耐性を獲得し様々な環境に対応していく能力を持っています。

代表的なRNAウィルス

インフルエンザ、ムンプス、麻疹、コロナ、ノロ、A、C型肝炎、日本脳炎、HIV、ポリオ、エボラ等出血熱その他

エンぺロープ

ウィルスはカプシドとエンぺロープにより核酸を守る構造になっています。
エンぺロープは脂溶性であり、アルコール、石鹸、胃酸で破壊されウィルスは活性を失います。エンぺロープを持たないノロウィルスのカプシドはアルコール、石鹸、高温でも破壊できず、胃酸で破壊できない場合もあります。

ウィルス・細菌感染に対する対策

ウィルス・細菌感染に対するオーソモレキュラー的アプローチ

ウィルス・細菌感染に対するオーソモレキュラー的アプローチ

脳神経外科医ラッセル・ブレイロック博士によるワクチン接種後の治療プロトコル
1 注射部位を最低2日間冷却する。冷水シャワー水風呂も有効
2 EPA、DHAを摂取
3 クルクミン、ケルセチンを摂取*低分子化された物以外は吸収できない
4 D-αトコフェノール(ビタミンE)400iu以上
5 ビタミンC1日4000mg以上
6 アスタキサンチン 1日4mg
7 亜鉛 1日20mgを1週間その後1日5mg
8 キノコ抽出部サプリ ホエイプロテインは取らない
9 マルチビタミン、ミネラルを摂取、鉄分フリーを選択
10 クエン酸Mg 1日3000mg
11 ビタミンD3成人 1日20000iuを2週間その後10,000iu
12 クエン酸カルシウム500~1000mg 子供250mg
13 水銀を含む海産物、コーン油、紅花油、ひまわり油、大豆油、キャノーラ油、ピーナッツ油を避け、パセリ、セロリ、ジャトバ茶を摂取する。

免疫を強化する栄養素
1 タンパク質
2 脂質
3 糖質
4 ビタミンA
5 ビタミンE
6 ビタミンD3
7 ビタミンK2mk7
8 ビタミンB群
9 ビタミンC
10 亜鉛
11 カルシウム
12 マグネシウム
13 ポリフェノール
14 スカベンジャーネットワーク ユビキノン、アスタキサンチン、R-αリポ酸

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