分子栄養病理学研究会
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酢酸の効果について

私のところで、栄養カウンセリングや波動測定セラピー、量子共鳴アナライザーによる測定を受けられた方で、リンゴ酢などの酢酸を含む「酢」の摂取を勧められた方多いと思います。
そこで今回は酢酸の効果についてお話しします。

「酢酸は, 生体において空腹時に脂肪酸からβ酸化により生成される内因性の成分であり, 骨格筋などで生体燃料として利用される。一方, 外因性に酢酸を摂取すると酢酸は容易に血中に移行し組織に速やかに取り込まれた後, その代謝過程でAMPを生成し細胞内のAMP/ATP比を増加させてAMPキナーゼ (AMPK) を活性化させる。2型糖尿病の病態モデル動物に酢酸を継続的に摂取させると, 肥満が抑制され耐糖能を改善させる。

また肝臓において脂肪合成関連遺伝子の転写量を低下させることから, 酢酸は脂肪合成を抑制するように作用すると示唆される。その他エネルギー消費割合の増加, 白色および褐色脂肪組織においては脂肪滴肥大化の抑制が見られる。

以上より酢酸は空腹時には内因性の成分として生成され生体燃料として利用されるが, 摂食時に酢酸を摂取すると脂肪合成の抑制による肥満の抑制, さらに肥満に起因した2型糖尿病予防効果をもたらすと示唆175名の25~60歳の健常男女(BMI25~30)を対象に15mlまたは30mlのリンゴ酢を含んだ500mlの飲料を250mlずつ朝食後、夕食後に12週間引用する二重盲試験を行った結果、試験飲料群における体重、BMI,内臓脂肪面積、腹囲、血清中性脂肪レベルがプラセボ群と比較して有意に低下した。」

岡山県立大学保健福祉学部栄養学科 山下広美教授の日本食糧・栄養学会誌

第67巻 第4号 171-176(2014)より引用

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AMPK活性化した場合の生体の反応を見てみましょう

1エネルギー代謝の改善: AMPKは細胞のエネルギー状態に敏感に反応し、ATP(エネルギー)のレベルが低下した際に活性化されます。これにより、グルコース取り込みや脂肪酸酸化が促進され、エネルギー供給が効率的に行われます。
2. 脂肪の分解: AMPKは脂肪酸の合成を抑制し、脂肪分解を促進します。具体的には、脂肪合成酵素(ACC)の抑制や、リパーゼ活性の促進により脂肪が燃焼されます。
3. グルコース代謝の調整: 筋肉や肝臓でのグルコース取り込みが増加し、糖新生が抑制されます。これは糖尿病の管理やインスリン感受性の向上に関連するため、AMPM活性化はメタボリックシンドロームや2型糖尿病の治療に有望とされています。
4. ミトコンドリアの生合成: AMPKはミトコンドリアの数や機能を増やす作用もあり、細胞のエネルギー供給能力が強化されます。
5. 炎症抑制: AMPK活性化により、NF-κB経路が抑制されることから、炎症反応が軽減されるとされています。
6. 自噴(オートファジー)の促進: AMPKは細胞内の不要なタンパク質や損傷したオルガネラを分解するオートファジーを促進し、細胞の恒常性維持や老化防止に貢献します。

これらの効果により、AMPKの活性化は代謝改善、抗炎症作用、抗老化効果など広範囲にわたる健康効果が期待されています。

酢酸にはこの様な効果があります!

疾患を抱える者を対象に九州大学病院での食用酢の生体での作用について検討が行われた。

対象は九大病院外来通院中の男性8名(平 均48才),女 性12名(平 均58才)で ある(ほとんどが,心疾患や高血圧を有する)。

これらを対象に黒酢を毎日20ml摂 取 してもらい1ヵ 月から6ヵ月間,摂取前後の血液生化学 検査,血液レオロジー諸指標(血液の流動に関する指標)などを測定した。

総コレステロールは平均9.5%減少し,ほぼ前症例では低下が見られ,中性脂肪は平均11.3%減少,血糖値は11.2%減少した。またHDLコレステロールと総コレステロールの比は逆に増大した。血液レオロジーの観点から赤血球変形能が有意に改善し,全血粘度が軽度減少 したことは,本実験が始めてであるといわれる。赤血球変形能は末梢循環や血栓形成の重要な因子である

 引用 YANAGIDA (Department of Brewing & Fermentation Tokyo University of Agriculture)

赤血球の変化能力(変形能)が低下する原因と影響について

主に以下の要因によって引き起こされます。

1.酸化ストレス: 活性酸素種が赤血球膜や内部のヘモグロビンにダメージを与え、変形能が低下します。2.血糖値の上昇: 糖尿病などにより、赤血球の糖化が進むと、その柔軟性が失われ、血管内でのスムーズな移動が妨げられます。
3.老化: 加齢に伴い、赤血球膜の柔軟性が低下し、変形能が悪化します。
4. 疾患: 鎌状赤血球症や異常なヘモグロビン症、腎不全、肝硬変など、血液や臓器の病気が赤血球の形状や機能に影響を与えることがあります。
5. 栄養欠乏: 鉄、ビタミンB12、葉酸などの欠乏により、赤血球の正常な生成や維持が妨げられます。

影響について

・酸素運搬効率の低下: 赤血球の変形能が低下すると、狭い毛細血管を通過する能力が減少し、組織への酸素供給が不十分になります。
・ 血液の粘度の増加: 変形能が低下すると、血液の粘度が高まり、心血管系への負担が増加します。これにより、高血圧や動脈硬化のリスクが高まる可能性があります。
・血栓形成のリスク: 赤血球が硬くなると、血流が遅くなり、血栓が形成されやすくなります。これがさらに心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。

「免疫グロブリンA(IgA)」はヒト体内で最も多く産生される免疫グロブリンであり、主に腸管などの粘膜面から分泌され、IgAは腸内細菌に結合することで、腸内細菌の増殖・定着・機能を制御しています。

国際共同研究グループは、酢酸によって誘導されるIgAが大腸菌などの病原性片利共生細菌[2]に結合し、大腸表面の粘液層への侵入を阻止することを明らかにしました。

また、その作用機序として、酢酸が菌体成分[3]とともにIgA産生をサポートするCD4陽性T細胞[4]の機能を強化することで、大腸菌反応性のIgAを増加させることも明らかにしました。免疫システムは腸内細菌代謝物の刺激によってIgA産生のパターンを変化させることで、腸内細菌を制御しているものと考えられます。

短鎖脂肪酸の一種である「酢酸」を付加したセルロース(酢酸セルロース)の投与により、IgA産生細胞やIgA分泌量が増加すること、また、IgAの腸内細菌に対する結合率も増加していることが分かりました(図1)。一方、同様に他の短鎖脂肪酸であるプロピオン酸、酪酸の効果も調べましたが、IgAの量などに変化は見られませんでした。

IgA(免疫グロブリンA)の主な働きは、粘膜の防御に特化しており、特に呼吸器、消化管、泌尿生殖器などの外界と接する部位で重要な役割を果たします。IgAは以下の働きを持ちます。

  1. 粘膜の保護: IgAは粘膜表面に分泌され、病原体(ウイルスや細菌など)が体内に侵入するのを防ぐバリアを形成します。特に呼吸器や消化器の粘膜での感染防御が重要です。
  2. 抗原の中和: 病原体が粘膜に付着するのを防ぐだけでなく、IgAは抗原と結合して病原体の活動を中和します。これにより、感染の進行を抑制します。
  3. 免疫応答の調節: IgAは体内の他の免疫細胞に働きかけ、過剰な免疫反応を抑制する役割も担っており、体が過剰に炎症を起こすのを防ぎます。
  4. 腸内の共生微生物との調和: 特に消化管において、IgAは腸内の善玉菌と病原菌のバランスを維持し、健康な腸内環境を保つことに寄与します。

分泌型IgA(sIgA)は、腸液や唾液、母乳などに存在し、外敵からの防御に重要です。

IgAの不足や機能異常があると、慢性的な感染症やアレルギー反応を引き起こすリスクが高まります。

引用先
国際共同研究グループ

理化学研究所 生命医科学研究センター 

粘膜システム研究チーム

チームリーダー 大野 博司(おおの ひろし)

研修生/研究パートタイマーⅠ 竹内 直志(たけうち ただし)

研究員 宮内 栄治(みやうち えいじ)

上級研究員 金谷 高史(かなや たかし)

研究員 加藤 完(かとう たもつ)

研究員 中西 裕美子(なかにし ゆみこ)

客員研究員 對田 尚(たいだ たかし)

基礎科学特別研究員 佐々木 崇晴(ささき たかはる)

大学院生(研究当時)根岸 紘生 (ねぎし ひろき)

統合ゲノミクス研究チーム

チームリーダー(研究当時) 小原 收(おはら おさむ)

上級研究員(研究当時) 渡辺 貴志(わたなべ たかし)

代謝ネットワーク研究チーム

チームリーダー 北見 俊守(きたみ としもり)

株式会社ダイセル

事業創出本部 事業創出センター

主席部員 島本 周(しまもと しゅう)

ヘルスケアSBU 事業推進室 事業戦略グループ

アドバイザー 松山 彰収(まつやま あきのぶ)

京都大学大学院 生命科学研究科 生体システム学

教授 木村 郁夫 (きむら いくお)

エモリー大学 医学部 病理学教室

教授 イフォー・ウィリアムズ(Ifor R. Williams)

酢酸の効果をまとめ

ⅠgA免疫グロブリンA増加により免疫正常応答正常化効果
動脈硬化予防効果
心血管イベント予防効果
酢酸の摂取による肥満抑制効果
脂肪合成酵素遺伝子発現の抑制
脂肪蓄積抑制効果(特に内蔵脂肪)
エネルギー代謝促進
GULT4活性化による糖代謝促進
糖尿病予防改善効果
レニンーアンジオテンシン系のACE阻害により高血圧抑制効果

など摂取するしかないほど素晴らしい効果が期待できます。しかし!取りすぎると副作用もあります!

酢酸の過剰摂取

1.胃や腸の不調: 酢酸は酸性が強いため、胃の粘膜を刺激し、胃酸の過剰分泌を促進する可能性があります。これが胃炎や胃潰瘍のリスクを高めます。
2. 歯のエナメル質の損傷: 酢酸が含まれる食品や飲料を多量に摂取すると、歯のエナメル質が酸で侵食され、歯の健康を損なうことがあります。
3. 低カリウム血症: 酢酸の過剰摂取は、体内のカリウムレベルを下げる可能性があり、筋力低下、疲労、心臓の問題などを引き起こすことがあります。
4. 血糖値の低下: 酢酸を含む食品(例: 酢)を大量に摂取すると、特に糖尿病の患者では血糖値が過度に低下するリスクがあります。
5. 喉や食道の炎症: 酢酸の濃度が高い状態で摂取すると、喉や食道が炎症を起こす可能性があります。

身体に良いとはいえやはり過剰摂取は気を付けて!
1日15~25mlを水や炭酸水に混ぜて、はちみつなど混ぜても美味しく飲めます!
ライムなどを混ぜると酢のにおいが軽くなり、飲みやすく抗酸化作用も上がるのでお勧めです!

酢酸を多く含む食品

酢酸を多く含む食品
リンゴ酢、米酢、ワインビネガー、キムチ
推奨はちみつ

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