分子栄養病理学研究会
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初めての分子栄養学~クエン酸とクエン酸重曹水~

✕のポストでもよく見かける、クエン酸重曹水、色々な効果が謳われてます。
結論から言うと「摂取する人の体の状態により、効果が異なり、マイナスの作用もある」です。

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クエン酸でガンが治る?

1.正常細胞とがん細胞の違い
  • がん細胞は、正常細胞に比べて細胞の分裂速度が非常に速く、アポトーシス(細胞の自殺行為)が起こらないため、無限に増殖します。
  • 正常細胞とは異なり、がん細胞は周囲組織や血管・リンパ管を侵略し、遠隔転移することがあります。
2.NaCTの発現
  • NaCTは、クエン酸を細胞内に取り込むためのトランスポーターです。
  • 一般的には、肝臓や脳、精巣などで発現しています。
3.がん細胞との違い
  • がん細胞は、クエン酸トランスポーターの発現が高いことが報告されています。
  • がん細胞は、クエン酸を取り込む能力が高まっているため、その増殖に寄与しています。
4.クエン酸の経口摂取
  • クエン酸(またはクエン酸塩)は、柑橘類などの食品に含まれています。
  • 経口摂取すると、腸から吸収され、細胞内に運ばれます。
5.クエン酸とミトコンドリア
  • クエン酸は、ミトコンドリア内のクエン酸回路(TCAサイクルまたはクレブスサイクル)に関与しています。
  • TCAサイクルは、エネルギー産生の重要なステップであり、クエン酸はこのサイクルの中心的な中間体です。
  • クエン酸は、TCAサイクル内でイソクエン酸に変換され、さらにエネルギー産生(ATP合成)に参加します。
  • クエン酸は細胞内に取り込まれ、ミトコンドリアの活性化に寄与します。その結果
  • 細胞内に活性酸素が発生し細胞を破壊し、それによりがん細胞が死滅する可能性は有りますが、正常細胞も壊します。それを防ぐのが「抗酸化物質」です。
  • つまりがんにおいてクエン酸はどちらの効果が出るかわからないんです。

クエン酸は疲労回復効果があるか?

運動後の血中乳酸濃度は優位に低下します。
ただしクエン酸とグルコースを同時摂取した場合です。
しかし他の疲労物質には影響を及ぼさないようです。運動終了後 の回復期の血中グルコース,遊離脂肪酸,インスリン, アンモニア,尿素濃度の変動に対して、レモン果汁もしくはクエン酸の摂取は有意に影響しなかったが、乳酸濃度の減少は、レモン果汁もしくはクエン酸被験液摂取により促進された。
これらの結果より、運 動後のレモン果 汁もしくはクエン酸摂取は、血中乳酸の除去を促進する。
(名古屋工業大学健康運動科学講座より)

乳酸をエネルギーとして再利用するため、脂肪からのATP合成は抑制される可能性が有ります。(いわゆる脂肪燃焼効果が低下)ダイエット目的であれば逆効果になるかもしれません。

クエン酸重曹水で血液をアルカリ性にするか?

重曹(炭酸水素ナトリウム)は体内でアルカリ性を増加させます。
しかし、クエン酸と重曹を組み合わせて摂取した場合、その影響は相殺される傾向があります。クエン酸は酸性を持ち、重曹はアルカリ性を持つため、両者が中和し合います。
つまり血液のphは大きく変化しません。
これは生命を守る上で当然なのですが、生体内のphは各臓器により多少の違いはありますが、概ね7・35~7・45に保つよう厳密に管理されてます。
食べたもので、簡単にphが変われば、レストランや食堂の周りでばたばた人が倒れるでしょう。

1.アルカローシス(アルカリ中毒)
  • アルカリ性の増加により、体内のpHが正常範囲を超えると、アルカローシスが発生します。
  • 症状には手のしびれ、筋肉のけいれん、吐き気、嘔吐、頭痛などが含まれます。
2.脂肪代謝への影響
  • 極端なアルカリ性は、脂肪代謝に影響を与える可能性があります。
  • 素活性や代謝経路がpHに敏感であるため、アルカリ性が脂肪の分解や利用に影響を及ぼすことがあります。
  • 極端なアルカリ性は、体内の酵素や細胞の正常な機能を妨げ、重大な健康問題を引き起こす可能性があります。
  • では全く必要ないかと言うと、そうではありません!

では全く必要ないかと言うと、そうではありません!
病院などで使用されるビガネイド輸液には、クエン酸、重曹が含まれます。

ビカネイト輸液は、体内に必要な水分とミネラルを補給し、血液の酸性を正常に戻すために使用されます。

ビカネイト輸液の主な適応症状です

  1. 組織間液減少時の細胞外液の補給
  2. 組織間液減少時の細胞外液の補正
  3. 循環血液量減少時の細胞外液の補給
  4. 循環血液量減少時の細胞外液の補正
  5. 代謝性アシドーシスの補正
  6. 代謝性アシドーシス
    • 体内に酸が過剰に存在している状態です。
    • 原因には、糖尿病、腎臓疾患、中毒、下痢、脱水などが含まれます。
  7. 呼吸性アシドーシス
    • 呼吸器の病気や呼吸中枢の機能が低下することで、血液中の二酸化炭素が増加し、酸性が高まる状態です。
    • 大量に汗をかいたり、嘔吐、下痢などの時には有効ですね。
    • また、胃酸の分泌を促すために食前に1g程度クエン酸摂取、逆に胃酸を抑制するために重曹を1~2g空腹時に摂取などは効果的です。頻繁に摂取はだめですが。上記の症状以外、さほど効果はなく進んで摂取する必要はないですね!

しかし✕では
「○○が治った」とのポストを見かけます。
エビデンスレベルの高い臨床報告はないのですが、実際にいろいろな改善を体感されてる方もいるのは事実でしょう。しかしその体感が万人に当てはまるわけではないことを、理解したうえで、摂取を検討してください。

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