分子栄養病理学研究会
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初めての分子栄養学 ~糖質って何?~

糖質について、この糖質は良い、この糖質は悪い、糖質制限は良い糖質制限は悪い、糖質が悪いのではなく、代謝出来ない身体が悪いなど様々な意見が有り「結局何を信じたらいいの?」って方の為にそもそも糖質とは何か?まとめてみました!

糖質とは?
糖を主成分とする物質の総称で、炭素、酸素、水素が結合した化合物でタンパク質、脂質と共に三大栄養素の一つで、体内に入るとすぐに消化され二酸化炭素と水に分解され、1g/4calのエネルギーを発生させます。炭水化物は糖質+食物繊維です。
このエネルギーは脳で1時間/5g、身体で1時間/10g程度消費され、特に赤血球はブドウ糖しかエネルギー源として使えません。

消化吸収

糖質を消化分解するにはアミラーゼという酵素が必要ですが,胃にはこのアミラーゼが無い為消化できません。だから糖質は腹持ちがいいと言われるんですね。

糖質は小腸でアミラーゼによる酵素反応により単糖(グルコース、フルクトース、ガラクトース)まで分解されます。

小腸から吸収する際、ナトリウムが無いと糖質の吸収障害を起こします。

吸収されたグルコースの50%はグルコーストランスポーター2(Glut2)により門脈という内臓をつなぐ静脈血を肝臓に運ぶ静脈の経路に運ばれ肝臓に取り込まれ、インスリンの作用でグリコーゲンが合成されます。このグリコーゲンは肝臓や筋肉に蓄えられ、血中のグリコーゲンが消費された時にエネルギー源として利用され、特にウェイトトレーニング、短距離走など瞬発系の運動時に素早くエネルギーに変換されます。逆に長距離走や持久系の運動時には細胞中の脂肪がエネルギ―として利用されます。

この時脂肪肝や肝硬変、肝炎などがあるとGlut2輸送が邪魔されて食後高血糖となり、糖尿病ではインスリンのグリコーゲン合成促進と糖新生抑制作用が低下するためこれも食後高血糖の原因となります。

肝臓に取り込まれなかったグルコースは肝静脈から大循環へ流れインスリンの追加分泌によるグルコーストランスポーター4(Glut4)により、このうちの70%が筋肉細胞に取り込まれます。

血糖値コントロールや肥満の予防にはこのGlut4活性化が重要でアミノ酸の一種ロイシン、高級脂肪属アルコールであるオクタコサノール、ウェイトトレーニングによりGlut4が活性化します。

筋肉細胞に取り込まれなかったグルコースはトリグリセリド(脂肪)として脂肪細胞に蓄積されます。

つまり過剰に摂取された糖質は血糖値を急上昇させ余分なグルコースを脂肪細胞にため込みこれが生活習慣病や肥満の原因になる訳です。

果糖フルクトース

果物に含まれる果糖はグルコーストランスポーター5(Glut5)により輸送吸収されグルコースに変換され直接的に血糖値を上げないが、食欲制御ホルモンの「レプチン」「グレリン」が乱れ食欲が制御できなくなることが有り、フルクトースがトリグリセリド合成に利用されVLDL~(トリグリセリドとコレステロール、リン脂質の複合体)を増加させ、脂質異常症の原因となる場合があるので果物の過剰摂取にも注意が必要です。

糖質の害 グリケーション

糖質の害として内臓脂肪の蓄積以外にグリケーションが上げられます。

これは体内の糖質の一部「開環ブドウ糖」がタンパク質と結びつきその機能を失わせることです。その最終生成物が「AGEs」糖化最終生成物です。この反応を「メイラード反応」といい、これが受容体であるRAGEと結合して、老化、認知症、その他身体の機能を低下させます。果糖フルクトースはグルコースの10倍!グリケーションを起こします!

2型糖尿病での合併症はAGEsが主な原因なんですね。

しかし、果物を直接食べるのなら、フルクトースの害は気にしなくて大丈夫です!果物はフルクトース以外にも様々な栄養素が含まれており、積極的に食べたい食材です

糖質制限

生活習慣病、糖尿病改善、ダイエット、健康レベルを上げる為など様々な理由で糖質制限を行う方が多いですね。

糖質を含む食品の摂取を控えるだけなので、取り組みやすく制限を行うと食後の血糖値は上がりにくく体脂肪への変換も起きにくいので体重減少や、体調の好転も見られるのですが、極端な糖質制限が続くと糖新生によりタンパク質を分解して糖質を作り出します。これだと生体にとって最も重要なタンパク質の無駄使いになってしまいますね。

理論上は脂質によりタンパク質の分解を防ぐことは出来るのですが、糖質からケトン体への変換が上手くいかないと、強い疲労感や抑うつ感がでます。

ではケトン体が沢山あれば大丈夫かと言うとそうではありません!

糖質が不足した状態や糖尿病で組織の糖質利用が低下してるときはケトン体の異常蓄積が起きます。

これは脂質代謝による*β酸化から発生した過剰のアセチルCOAを*クレブス回路のオキサロ酢酸が処理出来ないためケトン体が増加し、*アシドーシスの原因となる為慎重に行う必要があります。

ですのでお菓子やケーキを食べない、ご飯の量を少し減らす程度なら大丈夫ですが、極端な糖質制限は見様見真似で行わず専門家の指導の下行う方が安全です。

*β酸化~脂肪酸~アシルCOA~アセチルCOA~クレブス回路~ATP合成
*クレブス回路~TCAサイクル、クエン酸回路ともいう。細胞内のミトコンドリアでのATP合成回路
*アシドーシス~血液のph値を低下(酸性化)させる病態

安全な糖質摂取量

体格や生活習慣、性別などで明確な量は出せないのですが、健康を保つ最低限の糖質摂取量は1日/150gと考えます。

これを基準にご自分の運動量、仕事(デスクワーク、肉体労働)、現在の体重など考慮して摂取量を決めてください!

くれぐれも「過剰摂取」「極端な制限」にはご注意を!

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